2010年11月23日火曜日

11月13日 18時22分、父が息を引き取った。
69歳だった。
 
3年5か月前に大腸がんの手術をしたのですが、
その時 すでに肝臓に転移していました。
 
主治医の先生からはその旨を聞いていたので、
いつかはこの日が来ることは分かっていました。
 
最後の3年は抗がん剤の副作用に苦しみながらの毎日だったと思います。
それでも父は僕の前では弱音を吐くことはありませんでした。
 
今年の夏から急に体調が悪くなって
床に伏せっていることが多くなりました。
 
そんな父を見るのが辛くて、
僕は実家に帰ることをためらうようになりました。
 
きっと父はもっと孫に会いたかったのだと思います。
僕も父に会いたいと思っていました。
 
でも、結局は「苦しむ父の姿を見たくない」という
そんな気持ちが勝ってしまいました。
 
僕は本当に親不孝だと思います。
父の望みをかなえることなく、
自分の欲求を優先して。
 
父が息を引き取る日も僕はそこにいませんでした。
父の調子が悪いことは聞いていましたが、
それでも僕はほかのことを優先しました。
 
あの時 すぐにその場を離れれば間に合ったかもしれません。
でも、僕はそうしませんでした。
僕が病室に駆け付けた時にはすでに意識はありませんでした。
 
厳格で寡黙であった父。
父は僕が小さい頃いろんなところに連れて行ってくれました。
 
僕が小学生の時、父は東京に単身赴任していました。
夏休みに一人で新幹線にのって何度も東京に行きました。
東京駅のホームで僕を待っている父の姿を探すのが、
凄く楽しみでした。
 
僕も家庭を持ち、子を持ち、
父親としての自分は常日頃意識します。
 
11月13日、僕は父の子であることを強く意識しました。
 
父さん、ありがとう。
 

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