2008年6月20日金曜日

お気に入りの1枚





ELLIOT YAMIN


 「Wait for You」

この方の人生に触れてヒトの可能性を改めて認識しました。

27歳でオーディション番組に出演し、
サクセスストーリーを歩み始める。

こんなこっとって、
そんなに多くあることじゃないけど、
それほど珍しい部類の話じゃないですよね。



でも、ここに至るまでの過程。
彼の半生を考えるとリハビリテーションの意味を再度考えさせられます。



彼は13歳のときに右耳の聴力をほぼ失ったそうです。
歌手としては絶望的・・・・・
その後 16歳の時にはIDDMであることが判明・・・・
この時の彼の胸中は、
本当に「世界中の不幸を一身に背負った」感じだったのかな。


「リハビリテーション」
日本語訳は様々ですが、
「全人間的復権」などと訳されることが多いようです。

「復権」、
何らかの原因により失ったものを、元の状態に戻す、こと。
彼の場合、リハビリテーションとは「復権」なのであろうか?
彼が失ったであろうと考えられるもの、
時間、希望、思い出、音、などなど
彼が再び手にしたものは、
一体 何だろうか?

我々が日々対応する対象者さんは
何らかの原因によって「障害」を背負っています。
「障害」を形成する1つ1つの因子が改善することで、
本当に以前の状態を取り戻すことができるのでしょうか?
傷ついた心は癒されるのでしょうか?

現実はなかなかそうはいかないことが多いんじゃないかな。
障害の受容・・・・・
やはり完全には元に戻れないんじゃないかと。

そういったことを考えると、
「ここが正常と違うから・・・、杖がないと歩けないから・・・・」と
我々理学療法士がついつい抱きそうな「標準指向型」のNegativeな思考過程から、
「杖があれば歩けるよね」と「個人指向型」の
Positiveな思考過程への転換が必要なのかもしれません。  
  
リハビリテーション。
以前の状態に戻るといった「原点回帰的」復権といったことだけでなく、
新しい心身での「前進的」変化。
つまり、新しい自分での「自己実現」。
   
ある1人の歌手の半生を通して、
リハビリテーションの意味を考えた朝でした。

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